パフォーマンスチューニング
データベースが各種システムの基盤となり、その基盤としてのパフォーマンスが注目されます。
基本的なハードウエア、OSの知識ももちろんのこと、C/S構成ならではの留意点、RDBMS共通の考慮点、
そして、個別の製品の得手不得手や実装によるチューニングなど、扱う範囲は広範囲です。
本ドキュメントでは、それらに関する本を次の観点から概観してみます。
- RDBMSパフォーマンスチューニング
- データベース一般、C/S一般のパフォーマンスチューニング
- 個別のRDBMSパフォーマンスチューニング
- OS、その他環境のパフォーマンスチューニング
ただ実際のところ、必要なものを普遍的に集めたものとしては
データベースパフォーマンスアップの教科書 基本原理編が
今一番入手しやすく内容もよくまとまっていて、それ以外はWebで入手するか、特定のRDB用の本を買ったほうがいいでしょう。
RDBMSパフォーマンスチューニング
木村自身は自分のベースとなるDBがOracleだったせいもあり、長らくオライリーのOraclel Performance Tuningを
読んできました。ただ、本の版と、Oracleのバージョンがあがるにつれて、Oracle特有の記述がふえ、長年データベースに関わるうちに、
もっと普遍的なものがないかと探し始めたところ、以下のような本にたどり着きました。
- データベースパフォーマンスアップの教科書 基本原理編
, (株)エンコアコンサルティング 李華植(原著), 李圭東(翻訳), 翔泳社 (2006/07)
韓国のエンコアコンサルティングというデータベースコンサルティング会社の代表取締役 李華植(リ・ファンキ)さんが
書いた「大容量データベースソリューション1」(1996)の邦訳。原著の「大容量データベースソリューション1改訂版」(2005)
発売と同時に日本語版が登場しました。韓国ではベストセラーになったそうですが、浮ついた本ではなく、
データベースの仕組みからオプティマイズ、ジョインの種類まで、図や実際のSQL文を多用して、
わかりやすい本になっています。DBに関わる人は必読の本でしょう。李さんの本には、この続編や関連本がいくつかあるので、
その翻訳が行われることを期待しましょう。
- 第1部 アクセスに影響する要素
- 第1章 データ保存構造と特徴
- 第2章 インデックスの種類と特徴
- 第3章 SQLの実行プラン(EXPLAIN PLAN)
- 第4章 インデックス戦略の確立
- 第2部 アクセスの最適化の策定
- 第5章 部分範囲処理(Partial range scan)
- 第6章 ジョインの最適化
-
RDBMS解剖学よくわかるリレーショナルデータベースの仕組み
,鈴木 幸市/藤原勤也, 翔泳社 (2005/07)
DB Magazine誌に連載されていた「RDBMS解剖学」の単行本。パフォーマンスチューニングそのものというよりは、
その土台となる仕組みを図や豊富な例で説明した好著。これを読んでから上記の本や、各RDBのパフォーマンスチューニング
本を読むと、理解しやすいと思います。
- 第1部 はじめに
- 第2部 SQLの処理
- 第2章 SQLをどう料理するか(1) SQLの構文解析
- 第3章 SQLをどう料理するか(2) SQLから演算へ
- 第4章 カタログとインデックス
- 第5章 SQLの実行エンジン
- 第6章 物理プランの生成
- 第3部 システム化のサポート
- 第7章 トランザクションの基礎
- 第8章 トランザクション制御とMVCC
- 第9章 ログ機能によるパフォーマンスの向上
- 第10章 ログによる障害からの復活
- 第4部 複数データベースをまとめる
- 第11章 クラスタリングによる性能向上
- 第12章 データベースのパーティショニング
データベース一般、C/S一般のパフォーマンスチューニング
個別のRDBMSパフォーマンスチューニング
TODO
OS、その他環境のパフォーマンスチューニング
TODO
更新履歴
本ページの著者: 木村明治(KIMURA, Meiji)